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デジタル、それともアナログ。[Digital or analogue?] 


2009.08.09(Sun)

自由を得る為には何らかの犠牲は付き物である。デジタルとアナログにもそれと同じことが言えるかもしれない。我々は技術の進歩によって不確実さを(ある程度)排除出来たけれども、一方で曖昧な部分に宿る何ものかを(確実に)失ってしまったようである。デジタルの登場は、われわれに、クリアーでヴィヴィットなイメージは美しいものであることを示したが、一方で、自然で無理のない表現を古いものとして排除する傾向にあるように思われる。人工物が美しいのではなく、そこにも美を見いだすことが出来るから美しいのだ。また自然は依然として美しい。どちらか一方が正しかったり優位なのではなく、世界は並列しているから素晴らしいのだ。完全なものはどこにも無い。
われわれは撮影したものを、その場ですぐに、そのままを確認出来るようになった。撮影素材のルックをリアルタイムで補正出来る自由を獲得した。フイルムの物理的束縛からも自由になった。技術的にも価格面から見ても、一般の人がある程度のクオリティーを比較的容易に手にすることが出来るようになった。(どんな分野でも素人の参入というのは新たな表現を生む可能性をもたらすものだ。)デジタル技術は決してパンドラの匣ではない。人は利便性から逃れることは出来ない。一度手に入れたものを手放すことは出来ないのである。
当ブログで何度も述べている通り、アナログからデジタルへ、フィルムからデータへの移行は避けられない。だからといって一見古びてしまった技術を焚書のごとくしてしまっていい訳ではない。依然としてフィルムにはフィルムの素晴らしさがある。極めて感情的なこと言えば、今までさんざんお世話になった技術をあっさりと捨て去るというのは恥知らず、恩知らずである。さらに洗練させていくことは撮影担当者としては当然のことではないだろうか。
今ある議論の多くはデジタルとアナログのどちら優れているかという議論に傾きがちであるけれど、既にデジタルは存在するのである。どちらが映像表現に適しているかなど、もはや無意味な議論であろう。慣れ親しんだ方に肩入れしたくなるのが人情だが、道具は所詮道具である。要は使い方次第である。ラティチュードがカラースペースという概念に変わったとしても、問われるのは、ひとえにキャメラマン(やクリエイター)のセンスであろう。どちらも使ったら良い。フィルムでしか撮れないもの、デジタルでしか撮れないものがあるはずである。

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da Vinciのニューヴァージョン。 


2009.07.16(Thu)

我々キャメラマンにとってカラーグレーディングは撮影と同等に大切な作業である。その定番とも言えるのがda Vinci社のシステムである。そのRシリーズの新しいヴァージョンが発表された。Red oneのr3dファイルを含むデジタル・ムービーのファイルが直接読み込めるようになった(Canon5Dmk2のファイルも可能だが弱冠のバグがあるそうだ)。今までなら多少機能的に劣るシステムを使うか、せっかくのRAWファイルを変換しなければならなかったのが、今後は慣れ親しんだシステムでネイティヴに作業出来る。さすがに4Kの解像度でのリアルタイムグレーディングは無理だが、2Kなら何のストレスも無い。ここにきてようやくD-シネマの環境が本格的に整ってきたようだ。

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キャノン5Dの可能性。[Possibility of Canon5D.] 


2009.05.21(Thu)

今日紹介するのはキャノン5DーMK?によるアフガニスタンの最新映像。Danfung Dennisというフリーのフォトジャーナリストが、オバマ大統領の方針で増派された最初の援軍に同行して撮影したものである。5Dに搭載された動画機能はまさにこのような現場で使われることを想定していたはずだ。ビデオののっぺりとした映像とはまた違う迫力がある。人によるのだろうが私はこちらの映像によりリアリティを感じる。
ともかくジャーナリスティックな現場においてはクオリティなど二の次にせざるを得なかったわけだが、5Dの登場はそうした現状を打破しただけでなく、ENGカメラよりさらに軽いフットワークを獲得した。今後ファームウエアがヴァージョンアップして映画にも十分使えるようになったなら新しい表現の可能性がさらに広がっていくに違いない。

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レンズ戦争。[Lenses war.] 


2009.04.16(Thu)

現在、デジタルシネマの世界ではシネレンズの争奪戦が勃発していることは以前にも何度か当ブログで紹介してきたと思う。米国で20日から開催されるNAB(National Association broadcasters)ショウでは新しいシネレンズがいくつか発表さる。ツァイスはコンパクトプライム(18mm T3.8, 21mm T2.9, 25mm T 2.9, 28mmT2.1, 35mm T2.1, 50mm T1.5 85mm T1.5)を発表、日本のメーカーFUJINONも初めてのPLマウントのズーム(18~85mmT2.0)を出展してきた。日本でのPLマウントの老舗CINEOVISIONもレンズ製作を再開したところだ。REDなどの登場により、大きくなったセンサーサイズをカバーする優秀なレンズが必要になったということである。これらのカメラはレンズのクオリティを白日の下に晒す。ちゃんとしたレンズを使わないと恥をかくことになる。
ここからは単なる噂の域を出ないので、眉に唾をつけて読んでほしいが、RED社は独自のレンズとレンズマウントを作るという。レンズは日本のS社が供給するらしい。大概の場合、囲い込みをし出すと事業はうまくいかなくなる。汎用性を持たせないとマーケットはすぐに飽和してしまうのだ。もしその噂が本当だとしたら・・・デジタル・シネマの未来に急ブレーキがかかることになる。

レッドユーザーJPでも同じ話題が取り上げられているので併せて読んでみてください。

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レッド・インプレッション。[RED impression.] 


2009.04.13(Mon)

Built15(REDのファームウエアVER.)でテストしたのは去年の6月であったから、REDでテスト撮影をするのはおよそ十ヶ月ぶりである。その間ファームウエアはBuilt17になっており、つい先頃Built18のベータ版も発表されたばかりである。日進月歩のデジタルの世界にあっても、REDは着実にその歩みを進めているようだ。
一年前のヴァージョンに比べて安定性はより増している。ダイナミックレンジ(フイルムで言うラティチュード)も幾分広がったようで絞りにしておよそ9絞り程度にはなっただろうか。REDCineやFCPなどのカラーコレクション機能と合わせて使えば11絞り程度はゆうに獲得出来るはずである。一昔前のフィルムだと考えればいいかもしれない。
ビューファインダーとLCDはともにすばらしい。F35のファインダーなどとは比較にならないほどクリアーできれいである。今までデジタルムービーカメラの弱点であったフォーカスの合わせ辛さもある程度は解消されると思う。
デジタルの最も有利な点は撮影したものを直截的に見られるところであろう。粒子感が無く滑らかな画像であり、化粧品や車など、色再現に厳密さを要求される撮影には最適な選択には違いない。
今のところ信頼できる記録メディアは8GBのCFカードのみであるが、ほぼ5分程度収録可能なので400f巻のフィルムのような感覚で扱える。ネックは、その転送速度の問題で、4Kの解像度においては30コマ収録が出来ないことである。ハイスピードは2Kで100fpsまで。16GBのCFカードのデリバリーがようやく始まったばかりで、こちらが早く安定するといい。被写界深度の問題はあるにしても現状は3Kで30fpsという選択がいいのかもしれない。
後はポスプロの問題だが、編集は小さなデータで扱えるので、データ移行で時間がかかるのを始めから覚悟しておけば何の問題もないはずである。あらかじめテープにダウンコンバートするという手も考えられる。TVオンエアーを条件としたCFならこれで十分にクオリティーは保てるはずである。
注意しなければならないのは、速い動きで明暗の差が大きいもの(例えば水面の煌めきなど)の撮影はできるなら避けた方がいい。炎が燃え上がる瞬間を撮影したがローリングシャッターによるラインがはっきりと写ってしまった。また素早いパーンではフリッカーのような現象が目立つ。原理的な問題なのでこれはいかんともしがたい。

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