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コストパフォーマンス、教養~北原さんへのメール。[Cost-performance and education~Mail to Mr. Kitahara. ] 


2009.02.08(Sun)

「コストパフォーマンス」を制作に拘る「態度」の中のひとつの選択肢と混同するとややこしいことになると思うのですが、コストを考える、或いはスタッフが被る種々の負担軽減を考えることは責任ある立場にいる者として当然であろうと思います。無尽蔵にお金を使うことは出来ないのですから、その予算の中で最大限のクオリティを追求することは技術者の裁量の一部です。そして、そうした制約があったからこそ様々な工夫がなされてきました。問題は、追求されるべきクオリティの何たるかを大多数が知らないということではないでしょうか。テレシネルームや編集室のちっぽけなモニターでしか映像を見たことのない若い子たちにプリントラッシュを見せると皆一様にその美しさに驚きます。おそらく70mmのニュープリントを観たならもっと驚くでしょう。技術者としての私はそれが想像出来るから映画館に出向かないだけです(傲慢かつ怠慢と言われればそうですね)。無限の選択肢の中から何を選ぶかは夫々の技術者の能力にかかっていると思いますが、どれだけの選択肢を持っているのかは偏に「教養」に拘る事柄だと思います。ところが、その「教養」の標準値が果てしなく下がっている。それは昨今の経済的な締め付けだけでは説明出来ません。
私が常々思うのは(自分を含め)映像に携る人たちが映像を勉強していないと言うことです。映像にも基本的な文法があり、その実践の中で発見/発明された技法と技術があります。それを知ることなくしては、未来へと進むことも出来ません。
『アラビアのロレンス』でロレンス率いる騎馬隊(?)がアカバ市街に攻め込むシーンがあります。確か、そのシーンの後半部分は馬と駱駝を駆った大軍勢が街を物凄い勢いで通り抜け海岸線に至るまでが大ロングのワンカットで捉えられています。そこではカメラは少しだけ平行移動して、最後に「海に向いた大砲」をフレームに納めます。今なら差し詰め大クレーンを使ってよりダイナミックな撮り方をしたり、そのシーンの前半部分よりも更に細かなカット割りで見せるかもしれません。より大きなクレーンが登場するのも、細かなカット割りの有効性をキャメラマンが気付くのもずっと後のことです。けれど、もし1963年にそんな技法があったとして、デビット・リーンが、あるいはF・ヤングとN・ローグでもいいのですが、それを選択したかどうか。もしくはそうした撮り方を発見/発明したか。僕はそれはあり得ないと考えます。海を遠景に望むアングルはその直後の美しい夕景シーンで登場しますから巧妙に避けられています。トルコ兵側からのアングルもほとんどない。大方は横パンか平行移動だけです。あの文脈の中でカメラが俯瞰に入ることは(撮影されたのは街を望む丘の上で俯瞰と言えなくもないですが、ティルト角度は極めて水平に近い)物語の基調となる水平の動きをぶち壊しかねない。あそこで細々とした戦況のディティールを見せることは、その後の、ロレンスたちが敗走するトルコ兵を虐殺するシーンを台無しにします。あそこで選ばれたフレームは考えうる中で最良のものです。『アラビアのロレンス』にはそのようなシーンとそれらの相互作用が沢山あります。だからいつまで経っても古びません。
ただ単に迫力が出るとか目新しいとかという動機でフレームを選んではいけないのです。今、映像を創る側がそれをどれだけ自覚しているか。北原さんの用語に従えば、差し詰め、どれだけ「配慮」できるかということでしょうか?残念なことに、無教養であるが故にそうした「配慮」はほとんど理解されないのです。

category: 【オープンルーム】Bulletin Board

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