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『告白』 


2010.06.08(Tue)

告白

二度と観たくはないタイプの映画ではある。気分が落ち込んでいたり、荒んでいる時には決して観ないことをお勧めする。背中を紙ヤスリで擦られたような、ざらついた感触とでも言うのだろうか。それほどまでに救いようのない世界を描いてはいるが、しかしこれが紛れもない現実なのである。その事に愕然とさせられる。そして我々は改めて、この国が末期的な症状であることを実感するだろう。
タイトルが始まるまでの長い間、観客は中学教師・悠子(松たか子)の驚愕すべき告白を聞くことになる。そこで語られるのはある殺人事件の事の真相であり、そこから更なる物語が始まるのである。この底なしに重い話を一本の映画としてまとめあげるにはかなりの力業が必要だっただろう。しかしそこには確実に生身の人間が存在していた。
状況説明を極力省いたそっけない描写。ほぼ全編を貫くブルートーンに色彩は抑えられ、たれ込めた雨雲が無機質な画を更に陰鬱にする。ハイスピードで捉えられた暴力は時に美しくさえある。中島哲也は『嫌われ松子の一生』で試みたコラージュ的な手法を更に進化させて、見事な文体を創り上げた。最早、映画に「てにをは」は必要ではないのではないか。そんな感慨を持った。

category: 映画のはなし About Movies

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