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『This is it』を観て思うこと。[The things I thought after looking "This is it"] 


2009.11.15(Sun)

マイケル・ジャクソンには何の思い入れも無い。現象としての『This is it』ヒットに興味があっただけである。映画館がこれほど混んでいるのを見たのは本当に久しぶりのこと。おそらく学生時代、名画座巡りをしていた頃以来、30余年ぶりではないだろうか。カップル、あるいは友達と連れ立って、若い人たちのみならず中には明らかにマイケル・ファンと知れるおじさんやおばさんもいたり、幅広い年齢層を惹き付けていることは間違いが無い。
映画自体はMJと言うひとりの天才が被写体でなければ観るに耐えないものだっただろう。ショウを構成していく過程がスリリングであるわけでもない。ドキュメンタリー映画としての体裁さえ整えられていたかどうか。天使の名前を持つ希有の歌い手の、幻に終わった復活コンサートの代用品として本作があるに過ぎない。一応キャメラマンの端くれである私は映画に関してはもう「お勉強」のような見方が身に付いてしまっているので、偏った見方をしてしまうが、この程度の“映画”に満足する観客を見るのは何とも歯痒い思いを禁じ得ない。しかし映画とはそもそもそう言ったものであろう。今のように様々な種類の娯楽がなかった頃は、庶民が楽しめるものとしては、映画が最もお手軽なものであっただろう。今でもそれは変わりない。そこではMJと同じように庶民の心を躍らせるスターたちがスクリーン上で競い合っていた。それさえ観られれば観客としては素直に喜んでいられた。『This is it』に集ったほとんどの人は映画と言えば年に一、二本の話題作を見る程度だろうと思う。彼らは基本的には映画を観に来ていたわけではない。MJ(と言う現象)を観に来ていただけである。私にMJに対する思い入れがないように『This is it』の観客は映画に対しては何の思いもないはずである。
そう考えていけば、映画に必要な、観客を劇場まで運んで来る力は自ずと知れよう。ドキュメンタリーが地味ながらも人気を集めている理由もおそらくは同じところにある。人は新奇なもの、好奇心を満たせるもの、心踊らせるものが見たいのである。そして話題に乗り遅れたくないのである。だがそれだけではすぐに見向きもされなくなってしまうことも明らかである。制作者が観客をなめてかかっていればそのことはすぐに悟られてしまうものである。実際『This is it』の観客の中には(私以外にも)半ば辺りで既に飽きている人が見受けられたし、劇場を後にする人たちの会話の中に落胆の声を確かに聞いた。『This is it』には初めからそれを映画にしようとした明確な意図があったわけではないのであれば、それも宜なるかな。一番嫌なのは本作がヒットしたことで安易な企画がまかり通ることである。話題だけが先行する映画と言うのも頂けない。
本を読み音楽に親しむのは教養であると思うが、映画もまたそうであって欲しいと思う。今は残念ながら観客が映画を育てる時代ではない。僭越を承知で言えば、われわれはこれから観客を啓蒙しなければならないのである(そもそもどれだけ混んでいようと座席の背を蹴られる(無論、故意にではないとして)などかつてはなかった。おっと、これは別の話。)。提供する側にはせめて最低限の映画的教養あるいは志を保つべきであると思う。見終わった後にそんなことを考えるというのも因果なものである。

category: 映画のはなし About Movies

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