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『海炭市叙景』 


2010.12.22(Wed)

海炭市叙景
ともかく佐藤泰史の原作を読んでいるのと読んでいないとではその印象は大きく変わるはずである。有り体に言えば、映画自体、特に優れているとは言難い。各エピソードの芝居の温度が各々で相当の差があり、時々カメラと被写体との距離感が狂う。言うべきことは他にもある。原作にないシーンがさほど効果的でないとか、原作に負うあまり観客にとっては説明不足であるとか、絶望の淵から沸き上がってくる滑稽さが描けていないとか・・・。だが、それらを勘案しても私にとってはなお愛おしい作品である。
莫とした不安を抱え、苛立ち、それを解消する手段を持てず、声を荒げることも出来ず、誰もが日常生活の中でひとり立ち尽くす。皆夫々が切なく美しい。特に立ち退きを迫られる一人暮らしの老婆(地元で選ばれた素人さんだと言う)の貌を忘れることは出来ないだろう。そんな市井の人々の側に寄り添うスタッフやキャストの姿勢や良し。それがあれば好いではないか。不遇のうちにその生を終えた原作者の意志を継ごうと、函館市民が企画し製作資金を集め実現したという本作の製作過程に映画製作のひとつの理想型をみるのである。
16mmのブローアップなのか35mmでの撮影なのか確認出来なかったが、ナイトシーンを除けば、荒めの粒子感が程よく気持ちが好い。近藤龍人キャメラマンの湿り気を帯びた沈んだトーンも好みである。路面電車を追いかけるカメラの眼差しは印象深い。後ろ姿がこれほど多くを物語っていた映画を私は余り知らない。ジム・オルークの音楽も控えめで好感が持てる。
ひとひらの雪の冷たさもそれが集まって地面を覆うほどになれば美しく懐かしい光景になる。そしてその様な時は意外に暖かなものなのだ。
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